インプラントと入れ歯の違い
歯を失ってしまった患者様へ
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虫歯や歯周病で抜歯をした際、その後の処置・対応について、患者様ご自身で決定をする必要が出てきます。
当院ではそれぞれの治療方法のメリット・デメリットをしっかりとご説明した上で、どの選択をするのか、患者様と一緒に考えていきます。 -
歯を失う要因についてはそれぞれ原因があります。
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虫歯
原因:細菌口の中に取り込まれた糖分を原料として細菌が酸を作り、その酸が歯を溶かす病気
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歯周病
原因:細菌細菌の作り出す毒素が歯ぐきにしみこみ、炎症を起こさせ、歯ぐきと歯を支える骨を溶かす病気
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繰り返された治療
原因:過去の治療適切な歯科治療がなされていない事により、歯の寿命が短くなったり、他の病気を誘発してしまう
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咬み合わせ
原因:歯並び、修復治療歯の生える位置や、修復物の作り方などによって一部の歯に過剰な負担が集中し、そのために歯が壊れてしまう
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抜けてしまった歯の治療について
方法 | ブリッジ | 入れ歯 | インプラント |
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イメージ |
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治療方法 |
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デメリット |
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注意点 |
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インプラント治療とは
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歯科医院に通っている方でなくても、テレビCMや広告で「インプラント」という言葉を一度は聞いたこと方が多いと思います。言葉は知っていてもどのような治療法なのかをご存じでしょうか。
インプラント治療は、歯を失った部分にネジ(インプラント)を埋め込み、天然の歯と同等の機能に回復させる治療法のことです。入れ歯やブリッジとは違い、1本からの治療が可能です。インプラントの性質として無害な成分であるチタンでできているため、生体親和性が高いです。これを顎の骨に埋め込み、約3~4ヶ月治癒期間をおくことでインプラントと顎の骨が結合します。その上に土台を取り付け、被せ物を入れた後、咬み合わせの調整を行ったところで治療完了になります。
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インプラントの特徴
自分の歯にかかる負担を軽減し他の歯を傷つけない
歯を失ったところの治療法はインプラントだけではありません。その1つにブリッジという治療法があります、ブリッジは治療期間が1週間~1ヶ月程度とインプラントよりも短期間で済ませることができる治療法です。
この方法では、歯を失った両隣の健康な歯を削って支えることになります。もともと健康な歯を削らないといけないことや歯への負担がかかってしまいます。
インプラントは人工のネジを1本1本埋め込むため、それぞれが独立した歯となります。この人工のネジが噛む力の負担を受け持つため、隣の天然歯の負担を軽減し守ることができます。インプラントは歯を末永く残すため大きな力を発揮する治療法です。見た目が良い
口元の印象は歯によって大きく左右されます。入れ歯やブリッジの場合は、白い歯に色味が入り不自然な印象を与えたり、笑った時に金具が見えたりしてしまう場合があります。その点、インプラントの被せ物の部分はセラミックやジルコニアなどの素材が使われることが多いため天然歯と同じような自然な口元に近づけることができます。
顎の骨が痩せるのを防ぐ
歯を失って総入れ歯の状態が長く続くと、咀嚼したときの力が骨まで届かず刺激が与えられなくなります。こうした状態が続くと顎の骨がどんどん痩せ細ってしまいます。インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込むため、咀嚼した時の刺激を骨まで伝えることができ、顎の骨を健康に保てるのです。
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インプラント治療ができる人
たいていの方はインプラント治療を行うことが可能です。インプラントは、特別なご病気をお持ちの方で無い限り80歳以上の高齢の方でも手術が可能です。
例えば、インプラントを埋め込む顎の骨が痩せて少なくなっていたり、骨そのものがやわらかかったりする場合でも、骨を増やす手術と併用することでインプラント治療を行うことができます。
血圧が高めの方や糖尿病、骨粗しょう症、呼吸器疾患等をお持ちの方、ヘビースモーカーや特殊な薬をお飲みの方などは状態をよくお知らせください。
また、手術に痛みや恐怖心を持っておられる方は様々な対処法でご対応します。まずは当院へお気軽にご相談ください。
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当院でインプラントをするメリット
豊富な治療実績と欠かさない医療技術の研鑽
当院ではインプラント治療の実績が豊富なことに加えて、院長自身がインプラントの学会・勉強会に積極的に参加しており最先端の知識の習得や技術の研鑽をしています。学会においては関西の「i6」というインプラントのスタティーグループの一員として若手歯科医師への指導を行っています。また、インプラントの機会や設備も整っていますので安心した治療を受けることができます。
治療技術だけではなく、インプラントの材料から厳選
日本では、現在30種類以上のインプラント材料が流通しています。当院では、その中でも世界一のシェアを誇るストローマン製を使用しています。
痛みに配慮した手術
麻酔をすれば痛くないかというと、そうではありません。麻酔がしっかり効いていなければ痛みを感じます。麻酔の技術は歯科医によっての個人差がありますが、当院では確実に麻酔を効かせることのできる技術があるため、痛みの心配がありません。
CT等の最新設備を完備
CT撮影はインプラント治療に欠かせません。CTにより3次元の画像が得られ、骨の厚みや、血管、神経の位置を立体画像で確認することができます。この画像をコンピューターでシミュレーションすることで、インプラント治療の際、安全性の高い治療計画を立てることができます。これらのCTは医科用と比べて被曝量は1/20なので、安心して検査を受けていただけます。
ガイドを使用した手術
インプラント治療においては、計画された場所に正確にインプラントを埋入していくことが大切です。そのために当院では、ガイド(定位置にインプラントを埋入していくためのマウスピースのようなもの)を使用し、正確に安全に手術を行うようにしています。
インプラント治療後のメインテナンス
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インプラントとご自身の歯を長持ちさせるためにはメインテナンスがとても重要です。日本人が歯を無くす一番の原因は歯周病です。メインテナンスによって虫歯と歯周病を予防することで長期的に歯を残せます。インプラントの歯は虫歯になりませんが、天然歯と同様歯周病にはなります。ご自宅での歯磨きと専門医の定期検診、歯科衛生士による歯のメインテナンスをしっかりすることで、インプラントと天然歯が長持ちします。
当院では、インプラントの治療後は定期メインテナンスとして歯科衛生士が行うPMTC( 歯のクリーニング )、歯石除去、歯磨きチェック、歯磨き指導等を必要に応じて行います。
通常の歯磨きでは行き届かない細かな部分を歯科衛生士が専用の器具を使って丹念に処置を行うことで、インプラントや天然歯が歯周病になるリスクを大幅に下げ、寿命を長くすることができます。
インプラントの注意点

- 自由診療であるため保険がきかない
- 外科処置が必要
- お口の状態や体の状態によってはできない場合
- 治療期間に長い為、余裕が必要
- メンテナンスが必須
インプラント治療の目的:
残っている歯の保護

インプラント治療の目的とはなんでしょうか。
目的は、『歯がないところに歯を補う』だけでなくインプラントを用いることで『残っている歯を保護する』という目的もあります。
インプラントは外見だけでなく、口内環境も改善されます。
インプラント治療をすることで残っている歯に負担をかけないように考えていく必要があります。
またもちろんですが、インプラント治療を行うことで噛めるといった機能を回復させることも目的となります。
しっかり噛めること・違和感がないことで、日頃の食事の時間がより心から楽しめる時間になります。
当院のインプラント治療の流れ
※人によりは順番や流れが変わることがあります。
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①カウンセリング
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当院では患者様に寄り添う治療を心がけています。 インプラントをご希望の患者様によって抱えているお口の問題や悩み、求める治療などは千差万別です。 歯並びや噛み合わせ、顎の骨、全身疾患などによって治療方法が大きく異なる為、この場で思いを伝えておくことは、歯科医師が治療プランをたてる上で重要な基盤となります。
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②診断・検査(口腔内写真、レントゲン撮影、CT撮影、歯の型とり)
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次に、インプラント治療における受診の可否を精密に検査致します。この検査をしっかりと行うことが、インプラント治療を成功させるための、鍵となります。インプラント治療は誰もが受けられる治療ではない特別な治療です。インプラント治療に支障が出るような歯周病や虫歯などがある場合には、インプラント治療成功の為に手術前に治療を行います。
<確認する項目(一部)>
- 歯周病の有無・状態
- 嚙み合わせの問題有無
- 虫歯確認
- 神経までの骨の深さ
- 骨の厚みや幅が薄い方など
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③治療の説明 費用と時間の説明
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①~②における情報・状況を基に患者様の要望やお口の状況に適した手術方法や費用、そして所要日数などをお伝え致します。
また、インプラントを受けられない場合はその旨と理由もお伝え致します。 -
④インプラントオペ前の処置
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②でも言及致しましたが、インプラント治療に支障が出るような歯周病や虫歯などがある場合には、インプラント治療成功の為に手術前に治療を行います。
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⑤インプラントオペ
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実際に、麻酔を打ってインプラント埋入を開始します。あご骨にインプラント体を埋め込み後、インプラントと骨をしっかりと結合させる為に、所要日数が必要となります。
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⑥インプラントに仮歯を入れる
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インプラントをあご骨に埋め込んだ後は、次に仮歯を入れます。
ただし、仮歯を入れるタイミングは「あご骨の質や量」、「インプラントの本数」、「治療部位」、「治療法」により異なります。 -
⑦インプラントの最終的な歯を入れる
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インプラントが骨と結合したら、仮歯を外し、上部構造(人工歯)を装着します。上部構造もただ装着する訳ではなく、噛み合わせや見た目などに違和感がないかを確認していきます。
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⑧インプラントの定期的なメンテナンス
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インプラント治療終了後は消して「終わり」ではなく、スタートです。歯は日々、細菌や食実の際の圧力・摩擦・温度間差により抵抗力が消耗されています。インプラントは自身の歯よりも耐久性が弱い為、治療後はメンテナンスが必要となります。メンテナンスの習慣をつけて頂くことでインプラントだけでなく、他の健康な歯も守っていくことに繋がります。
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他の歯を守るためのインプラント
インプラントの最大の利点は、他の残っている歯を守れることです。当院では、世界的シェアと信頼度の高さからストローマン社製のインプラントを使用しています。日本では多くの歯科医院で使用しているインプラントなので、引っ越しなどで医院が変わったとしても対応できる可能性が高いです。インプラントの世界は日進月歩ですが、私自身、関西でインプラントの治療講習会で講師を務めており、新しい治療方法などの情報収集を続けています。身体に負担の少ない治療方法をご提供します。手術方法も1回法や2回法など、適切なケースをご提案いたします。
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治療を受ける前に
インプラントが顎の骨に生着するには、数か月の時間が必要になります。この期間には個人差があり、顎の骨の状態や体の状態によって左右されます。
このため、インプラントを埋め込んだ後から噛めるようになるまでのスケジュールは患者様によって異なってきます。
また、治療効果を発揮するためには、以下が必要になります。- 自宅での正しいプラークコントロールの実践
- 歯周病は細菌による感染症であることへの理解
- 治療の一部としての歯科医院でのメインテナンスの継続
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インプラントを長持ちさせるために
インプラントは人工物のため虫歯にはなりません。とはいえ、メインテナンスは必要です。インプラントの最大の敵は歯周病。歯周病が進行すると、インプラントを埋め込んだ部位の骨を溶かしてしまい、状況によってはインプラント体を除去したり、再手術をしたりするリスクが伴います。インプラントは天然歯と違い神経がありません。そのため、問題が起こっていても、違和感を覚えにくく、知らず知らずのうちに症状が進行する恐れがあります。是非治療後も定期的にメインテナンスを行いましょう。インプラントの状態、炎症の有無、歯肉の状態、かみ合わせなどをチェックしていけば、より長期に渡ってインプラントを使えるようになります。
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料金案内
インプラント1本 396,000円(税込)~
※下記費用を含んでいます。
精密検査、CTスキャンなどの検査代・手術代・被せ物代・抜歯代・仮歯代・麻酔代
※GBRなどの別途治療が必要になった場合、追加費用が発生が発生致します。
手術の不安はこれで解消
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Q1:インプラントの手術は危険?
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手術中に神経や血管を傷つけるのではないかと不安をもたれる方もいらっしゃると思います。当院ではCT撮影の分析により、3次元的に神経、血管の位置を確認し、それを正確にさけてインプラントを埋入します。
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Q2:糖尿病や血圧が高めでも大丈夫?
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糖尿病の方でもヘモグロビン・エイワンシーの値が(HbA1c)7.0%未満なら大丈夫です。血圧が高めの方は降圧剤を飲んだ状態で手術をうけていただきます。
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Q3:骨粗鬆症でも大丈夫?
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骨密度が低く、やわらかい場合、インプラントが骨と結合する成功率が下がります。その方でもたばこを吸わない方であれば、骨密度を上げて埋入する手術方法もあり、対応することができます。飲んでいるお薬によってはできないこともございますのでご相談ください。
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Q4:MRIの検査はどうなる?
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インプラントはMRI撮影の際に悪影響があると誤解されている方もあるようですが、純チタンのインプラントは磁気に反応しない非磁性金属なので撮影される画像にほとんど影響しません。
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Q5:金属アレルギーは?
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インプラントはチタンでできており、とても硬く、体内に溶け出さないので、アレルギーになる確率は極めて少ないです。人工関節にも使われており、骨との結合に幅広く使われている材質です。
また、チタン表面は、酸化膜で覆われており、活性水素を放出して、細胞の酸化を防ぎ、制がん作用をもつ唯一の金属です。 -
Q6:インプラントの寿命はどれくらいですか?
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一概には言えませんが、10年後でも残すことができる確率は約90%です。お口の清潔度やメインテナンスの頻度、埋入されたインプラントの長さや形態、その人の骨量、咬み合せの状態などで個人差があります。
いずれにしても、治療後にもきちんとメインテナンスを受けていただきます。それだけではなく、ご自宅でのケアの徹底、禁煙、丈夫な骨を維持するために栄養や適度な運動を心がけましょう。 -
Q7:インプラント治療後の保証はありますか?
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インプラント治療後の保証の適用については最低半年に 1 回の定期検診に来て頂くことが条件になります。清掃ができていないとインプラントであっても天然の歯であっても長持ちはしないからです。残っている他の健康な歯を守るためにも必ず定期検診にお越しください。( 遠方や転勤等で来院できない方はご相談ください)
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Q8:歯周病でもインプラント治療は可能ですか?
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歯周病にかかっている方であってもインプラント治療はできます。しかし、歯周病にかかっている方の口腔内状況のままインプラント治療を行っても失敗するリスクが高くなってしまいます。手術前に必ず歯周病治療を優先して行います。
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Q9:手術後の痛みや腫れの心配はありますか?
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インプラント治療は外科手術となりますので、痛みや腫れることに個人差があります。当院で治療を受けた患者様で、術後にひどく痛みを伴う場合には痛み止めを処方いたします。当院ではなるべく痛みに配慮した治療を心がけております。
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Q10:インプラント治療にかかった費用は医療費控除の対象になりますか?
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インプラント治療にかかった費用を含む、その年の1月1日からの1年間に支払った医療費が20万円を超える場合には、医療費控除の対象となります。対象となる医療費は、患者様自身だけではなく、生計を一にしている配偶者や親族の医療費も合算して申告することができます。
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Q11:インプラント治療のメリットは何ですか?
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インプラント治療のメリットは天然歯のような歯を手に入れることができることです。インプラント治療は、残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させるための装置を付けたりすることはしません。いかに残っている歯に負担をかけずにできるかがインプラント治療のメリットといえます。
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Q12:インプラント治療のデメリットは何ですか?
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インプラント治療のデメリットとしては、インプラントを埋入するための手術を受ける必要があり、全身状態が良くない場合には適用が難しいことです。治療期間も人によっては長いことがあります。 現在のインプラントは骨に結合させますが、粘膜との結合が強くないため、天然歯に比べると細菌感染に弱いこともデメリットです。さらに、インプラント埋入予定部位に骨が十分に存在しない場合、治療が困難です。
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Q13:インプラント治療の前にCT撮影が必要なのでしょうか?
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安全に正確にインプラント治療を行うためには必須です。CTを撮影することで、上顎、下顎の骨の3次元的構造、骨の内部にある神経や血管の走行、さらにインプラント埋入予定部位の周囲の組織の状況を精密に診査診断することができます。
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Q14:インプラントの上部の被せ物が壊れることはありますか?
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セラミックなどの素材では壊れたり欠けたりすることがあります。そのため、堅い物を噛むと歯が割れることがあるように、あまりにも堅い物は避けた方がよいでしょう。普通に食べられる物であれば問題ありません。当院では、保証期間がありますので、保証期間内であれば保証内容にて再治療します。
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Q15:インプラントの噛む力はどのくらいですか?
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顎の骨としっかり結合したインプラントはどのようなものでも噛むことが出来、 天然歯同様に噛めるといっても過言ではありません。