『奥歯の治療はインプラントが良いって本当ですか?』
『インプラントが2本必要な場合、費用はどれくらいかかりますか?』
『入れ歯ではなくインプラントを選ぶ理由は何ですか?』
当院の患者様からも、このようなご質問をいただくことは少なくありません。
奥歯を2本連続して失った際の治療は、ほとんどの場合でインプラントか入れ歯の2択になります。しっかり噛めるようにインプラントで治療したいという方は多いですが、インプラントは高額なイメージがある上、2本必要となると費用面で不安が大きいでしょう。
そこでこのページでは、奥歯2本にインプラントを入れる費用相場や、実際の治療内容について、インプラント治療を専門的に行う長崎県長与の渡辺歯科医院、院長の渡邉が解説します。
奥歯のインプラント治療を検討している方や費用面などさまざまな不安をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。もちろん当院の無料カウンセリングにご来院いただき、直接ご質問をいただいても大丈夫ですよ。
目次
インプラント治療とは?
インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を取り付ける治療法です。歯を失った部分に新しい歯を作る治療法で、天然歯に近い見た目と噛み心地の快適さが特徴です。
奥歯の治療にインプラントがおすすめな理由
「奥歯は見えないから抜けたままでいいや」と放置してしまう方は少なくありません。
抜けた部分を治療するために歯医者に行かないといけないと思いながらも、まだ反対側で噛めるから問題ないと自己解決してしまっている方もいらっしゃいます。
しかし、奥歯は食べ物を噛んだり、すりつぶしたりするのに欠かせない役割をもっています。奥歯がなくなると、しっかり噛むことができなくなるため食事に支障でてしまい、食べ物の消化や吸収にも悪影響を与えます。
噛めないことになれてしまうと、食生活が偏ってしまったり、噛まずに丸飲みしたり、早食いしたりして内臓に負担が掛かり、生活習慣病に繋がってしまうこともあります。
①インプラントが噛み合わせの支えになる
これが今回私が最もお伝えしたいことになります。失った歯が前歯など人の目につくところであれば、見た目を気にして治療をして補おうとする方が多いと思います。
しかし、人の目に付かない奥歯の場合、1本程度であれば違和感を覚えるものの、他の歯がしっかりしていれば噛むこと自体に支障はないということで治療を後回しにしがちです。歯はたった1本失うだけでバランスを崩し、もともと歯があった空隙に向かって少しずつ動きはじめます。
その結果、残っている歯の位置が微妙にずれ、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまいます。インプラントは、噛み合わせを取り戻す治療として非常に優れています。
定期的にメンテナンスを受ければ、噛み合わせのバランスも維持できるでしょう。
②天然の歯と同じように食事を楽しめる
インプラント治療を経験した患者様は、よく噛めるようになると言っていただくことがあります。
インプラント治療を希望される患者様は、インプラントが食べ物を味わったり、しっかりと噛んだりという、歯の本来の機能を回復してくれることを期待していると思います。
今まで入れ歯でよく噛めなかった方や総入れ歯のプラスチック製の床で上顎の口蓋がすっかり覆われていたことで、味や温度を感じにくくなっていた方は、インプラントでより食べ物を味わうことが期待できます。
③発音が明瞭になる
インプラントをいれることで、発音がしやすくなるというメリットもあります。
インプラントの場合、入れ歯のように、会話中にズレたり外れたりすることがないため、気にせずに話すことができます。
特に、奥歯のインプラントをすると「き」「し」「ち」などの発音が改善しやすくなると言われています。
④周囲の歯に負担をかけない
これはすごく重要ですが、患者様はあまり気がつきにくい点です。
インプラント治療は、歯を失った箇所の顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み独立した歯を立てます。インプラントがきちんとかみ合うことにより、そこでかむ力を負担することができるため、他の歯への負担を少なくすることができます。
一般的にはインプラントの方が天然歯よりも噛む力に対しては抵抗力があります。また隣の歯を削ったり負担をかけたりすることがないため、他の歯の寿命を縮めるリスクが低いです。
奥歯が2本連続して失われると入れ歯やブリッジ治療は難しい
奥歯を2本連続して失ってしまった場合、両隣の歯を支えとするブリッジ治療は支えとなる歯が失われているため、治療を行うことができません。
まれに親知らずが残っている場合その歯を利用することがありますが、その場合でも繋ぐ歯が長くなってしまい、より歯に負担が多くなってしまい予後が悪くなることが多いです。
入れ歯の場合には、バネがかかる歯が問題となります。
奥歯が2本連続してない場合、片側だけの入れ歯か反対側に支えをのばした入れ歯かの選択になります。どちらの場合でも残っている歯を支えに入れ歯を入れるため、歯を揺らしてしまいだんだん弱っていくということが予想されます。
インプラント治療の際に必要な費用について
インプラント治療を受ける際には、主に以下の3つの項目の費用が発生します。
これらの費用の合計が、実際の治療費用となります。
- 審査診断・検査費用
- インプラントを埋入する費用
- インプラントの上部構造(人工歯)の費用
これらの費用以外にも、骨が足りない患者様は骨造成という治療を行う必要があったりと、イレギュラーに費用が発生するケースもありますが、上記の3つの項目は必ずかかる費用となります。
①審査診断・検査費用
インプラント治療を正確に行うためには、精密な審査診断が必須です。
その費用として一般的に2万〜5万円程度かかります。当院ではインプラント治療を行う場合、治療の前に口腔内の診査、口腔内写真、かみあわせの確認、歯周病検査、顎の骨の状況をCTで確認する、などを行います。また全身の健康状態などを確認する必要があります。
ご自身の口腔内や健康状態によっては、インプラント治療を受けることができないケースもあります。
②インプラントを埋入する費用
インプラントを埋入する費用としては、1本あたり30〜40万円程度です。
インプラントは保険適用外の治療となるため、費用は歯科医院によって幅があります。インプラントを埋入する手術は、顎の骨に小さな穴を開け、インプラント体を埋入します。
それだけではなく、歯ぐきにインプラントを埋めてインプラントの頭を出し、歯ぐきのラインを整えたり、仮歯を装着したりするなど、埋入するだけではなく細かな調整や高度な技術が求められるため、費用が高くなる傾向にあります。
当院では世界的にシェアのあるストローマン製のインプラントを使用しています。
③インプラントの上部構造(人工歯)の費用
インプラントの上部構造(人工歯)1本の費用相場は、5万円から20万円程度です。歯科医院によってインプラントのメーカーや素材が違うため、価格に幅があります。
医院によって費用はインプラントの上部構造を含めた場合や含めない場合もありますのでよく確認してみてください。
当院では実績のある技工所さんにお願いしており、基本的にジルコニアを使用しております。
奥歯2本をインプラントで治療する際の費用
奥歯は、他の歯に比べてかみ合わせへの影響や、大きな負荷がかかりやすい場所です。
治療の正確性やインプラント自体の耐久性が求められるため、治療前に以下の点に注意しましょう。
参考|ブリッジ治療の費用相場
ブリッジで治療をする場合、奥歯2本がないのであれば周りの歯を2.3本は少なくとも削らないといけません。
そして、歯がないところを含めて5本ほどのブリッジになります。
保険治療で行なったとしても費用は2万円から3万円はかかってきます。
参考|部分入れ歯治療の費用相場
奥歯2本の部分入れ歯を入れる場合、設計にもよりますが、費用としては保険診療で1万円ほどになります。
バネが目立ちにくいノンクラスプデンチャーなど保険外の入れ歯の場合は10万円程度かかることもあります。
奥歯2本をインプラント治療する際の注意点
奥歯が2本なくなった場合基本的には何かしらの治療が必要です。
私がよく例えとして用いるのが、「家の支柱が4箇所あったとして、もうすでに1箇所はなくなっています。家の柱は残りの箇所で支えていますが、そのままで今までの生活に耐えられると思いますか?その他の支柱に負担がかかると思いませんか?」というものです。
この欠損を起点として口腔内のかみ合わせの崩壊につながることがあるので、よく考えてみてください。
それを踏まえて奥歯2本をインプラント治療する際の注意点は、主に以下の2点です。
- 費用だけで歯科医院を選ぶのはおすすめできません
- なるべく早めの受診を心がけましょう(できれば抜歯前)
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
費用だけで歯科医院を選ぶのはおすすめできません
インプラントは保険適用外のため全額患者様の自己負担となります。
治療費が一概に高いから良い、安いから悪いといった判断はしないようにしましょう。インプラント材料自体のコストも高く、治療に使う素材の質によっても大きく変わるため価格に大きな差が出ることも珍しくありません。
インプラントの費用だけではなく、正確な審査診断が行える環境なのか、定期的な研修など、技術を高める取り組みを行っている歯科医師であるのかを選ぶのが重要です。
なるべく早めの受診を心がけましょう(できれば抜歯前)
歯を失う可能性があれば、歯を失う前からインプラント治療を検討することがベストタイミングです。歯を失ってしまってからであれば、インプラント治療をする際に、患者様の身体的にも金銭的にも負担が大きくなるからです。
具体的には歯を抜いてしまった後では、顎の骨が痩せてしまい、インプラントを行う際に顎の骨が足りない場合があります。
その場合、骨造成を伴うインプラント治療が必要となり、体へ負担も費用も時間もかかってくることがほとんどです。また歯が悪くなり炎症が広がってしまった場合も同様で、その際も悪い歯を抜いて骨造成を行う必要があり、やはり治療としても難易度が高くなる傾向があります。
抜歯を回避できる可能性があります
そもそも自分では抜歯しかないと思っていても、診査診断をすすめていくと歯を抜かないで治療をすることができる場合もあります。
その場合は、歯周病の治療や歯の挺出などの方法があります。
下記のページを参考にされてください。
抜歯即時埋入法
通常、インプラント治療をする際には、抜歯した箇所の傷が回復してからインプラントを埋入します。抜歯即時埋入法は、抜歯したタイミングでインプラントを埋入する画期的な治療法です。
抜歯したタイミングでインプラントを埋入するため治療期間が短いことや外科手術の回数が少なく済むため患者様の身体への負担が軽減されるメリットがあります。
しかし、最大のメリットは、歯の骨が痩せることを防ぐことができるため、埋入したインプラントが安定することです。
抜歯窩温存療法(ソケットプリザベーション)
抜歯窩温存療法(ソケットプリザベーション)は、歯を抜いた箇所に人工の骨やコラーゲンを補充することで骨が減ることを防ぐ処置です。 抜歯と同時に行えば痛みや腫れはほとんどありません。
骨が減る前に抜歯窩温存療法(ソケットプリザベーション)を行うことで、負担軽減を実現させたインプラント治療を行うことが可能になります。
まとめ:奥歯2本のインプラント治療なら渡辺歯科医院
奥歯2本失った場合ほとんどのケースで治療が必要になります。その際にインプラント治療は有効な治療のひとつとして考えていいと思います。
少しでも当てはまることがあったり悩んでいることがあれば当院にご相談にいらしてください。お待ちしております。
インプラントをはじめとした治療を検討している方、興味はある方は、当院のカウンセリングにご来院いただき、直接ご相談ください。
監修者情報
院長 渡邉 威文
- 九州大学歯学部 卒業
- 九州大学総合診療科にて研修
- 福岡赤十字病院にて研修
- 山口県萩市にて勤務
- 福岡県糸島市にて勤務
- 医療法人渡辺歯科医院 継承