『インプラントは安全な治療ですか?』
『手術が必要と聞くと危険な気がして怖い…』
『インプラント治療を受ける医院によって安全性に違いはありますか?』
当院の患者様からも、このようなご質問をいただくことは少なくありません。インプラント治療は外科手術を伴うことから、安全性を気にされる患者様は非常に多いです。インプラント治療は正しく行えば決して危険な治療ではありません。
しかし、外科手術を伴う以上、安全性の確保を怠ってしまうと、患者様に危険が及ぶケースがあることも否定できません。
このページでは、インプラント治療の安全性と治療に伴うリスクや危険性、当院で行なっている安全性の確保のための取り組みについて、インプラント治療を専門的に行う長崎県長与の渡辺歯科医院、院長の渡邉が解説します。
インプラントをはじめとした治療を検討している方、興味はあるけれど危険性が気になるという方は、ぜひ最後までご覧ください。もちろん当院の無料カウンセリングにご来院いただき、直接ご質問をいただいても大丈夫ですよ。
インプラントは安全な治療?
インプラント治療は、治療の条件を満たし、全身状態・口腔環境が良好であれば、安全性が確保できるといえるでしょう。インプラントは耐久性の高さと見た目の美しさから、入れ歯やブリッジの問題点を解決する画期的な治療法として広く行われています。
しかし、自身の口腔内や健康状態によっては、ほかの治療を選択したほうがよい場合もあります。
特に、インプラントが適していないケースとして、顎の骨が極端に薄く少ない方、管理されていない全身疾患や持病を持つ方などが挙げられます。
インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、十分な骨量が必要です。成長途中の未成年者は骨の成長が終わってから治療することが推奨されます。インプラントには生体親和性が高いチタンが使用されますが、金属アレルギーがある方は注意が必要です。
また、治療後は感染症にかかりやすくなるため、全身状態が管理され体調が良好でなければ手術は受けられません。虫歯や歯周病がある方は、まずは完治を目指し、口腔内の環境を整えてからインプラント治療を受ける必要があります。
従来よりインプラントの安全性は高まっています
インプラント治療は体内(骨の中)に人工歯根を埋め込む、という手術が必要なことから、その安全性について不安に思っている方もいらっしゃるでしょう。
インプラントそのものにおける問題点としては、以前は「インプラントに使用する金属の種類」の問題がありました。それにより金属アレルギーを持つ一部の患者は、インプラント治療は危険とされていました。
しかし、現在はすべてのインプラントがアレルギー反応を起こす可能性が低い「チタン」を使用しているため、滅多に金属アレルギーによるトラブルが出ることはありません。
また、CTやMRIといった検査機器にもあまり影響することがありません。
インプラントのリスク・危険性
インプラント治療の安全性は技術の進歩によって年々高まっていますが、それでも一定のリスクや危険性はあります。以下のようなリスク・危険性を患者様ご自身が知っておくことで、危険性を回避して安全に治療を受けることが可能です。
- インプラントが上顎洞に落ちてしまうリスク
- 神経や血管を損傷するリスク
- 骨とインプラントが結合しないリスク
- インプラント周囲炎のリスク
- 感染症や炎症を起こすリスク
- インプラントが破折・破損するリスク
- 被せ物の審美的、機械的リスク
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
①インプラントが上顎洞に落ちてしまうリスク
上顎の奥歯にインプラント治療を行う場合、骨が薄い場合においては上顎洞とよばれる空洞にインプラントが落ちるおそれがあります。上顎洞へのインプラントの落下を防止するには、CTを用いて上顎洞の位置や形状、骨の厚みなどを詳細に把握した上で、適切な位置と深さでインプラントを設置することが重要です。
②神経や血管を損傷するリスク
インプラント治療は骨に埋入していくために骨に穴を開ける際に神経や血管を損傷するリスクがあります。特に、下顎には太い神経や血管が通っているため、神経を傷つけると神経麻痺、血管を傷つける出血を引き起こす可能性があります。
そうならないために事前にCTやシミュレーションを必ず行い、神経や血管を損傷するリスクをできるかぎりおさえます。
③骨とインプラントが結合しないリスク
インプラントは、顎の骨とインプラント体がしっかりと結合することで自分の歯と同じように噛めるようになります。
しかし、まれにインプラント体と顎の骨がうまく結合せず、インプラント体が脱落してしまうことがあるのです。
インプラント体と顎の骨が結合しない原因は、遺伝的な理由や骨の不足、細菌感染、オーバーヒートなどが考えられるでしょう。
インプラント治療を安全に行うためには、顎の骨に十分な厚みや幅、高さが必要です。CT写真を確認して、インプラント治療が適切に行えるか判断する必要があるでしょう。
1.骨の量が足りずに結合しないケース
インプラント治療において骨の量は非常に重要になります。骨の量が足りなくインプラントと顎の骨がしっかりと結合していなければ、インプラントがガタガタと動いたり、最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまいます。
事前にCT(レントゲン)を撮っておくことで、骨の厚みや構造が正確に把握できるため、適切な治療判断が行えます。
2.歯周病によって顎の骨が溶けているケース
歯周病にかかっている場合、歯ぐきが下がっていたり顎の骨が溶けている場合は注意が必要です。
骨の量が歯周病によって歯ぐきが下がっている状態や顎の骨が溶けている状態のままインプラント手術を行ってしまうと、骨との結合が阻害され、インプラント体が顎の骨と結合しないおそれがあります。そのため歯周病が放置されたままインプラント治療を行うことは非常に危険です。
3.ドリリングによって骨が火傷してしまうケース
インプラントを埋入する顎の骨をドリルで削る際には、水や生理食塩水を出しながら削っていくのですが、非常に硬い骨の場合には摩擦を起こしてしまって、骨が火傷した様な状態になってしまう可能性があります。
骨が火傷をすると組織が壊死してしまい、インプラントも定着しない場合があります。骨の火傷はかなり稀なケースではありますが、インプラントをして1週間しても強い痛みが伴う場合は、歯科医師の相談する事をおススメします。
4.喫煙によって結合がうまくいかないケース
喫煙者と非喫煙者ではインプラント治療における成功率、その後の持続性が変わってきます。
タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があります。これが原因となり、インプラントのオペ後に必要な栄養や酸素が十分にいきわたらず、周囲の細胞が貧血状態となり傷が治りにくくなります。
また、タバコによって唾液分泌が抑制され、唾液の自浄作用が低下します。お口の中が歯周病菌が増殖しやすい環境になり、喫煙者は非喫煙者に比べて、細菌の増殖を防ぐための念入りなケアが必要となります。
5.糖尿病などの全身疾患によってうまくいかないケース
糖尿病などの全身疾患を有する患者様も要注意です。糖尿病や免疫疾患などがある場合は免疫細胞の働きが悪く、傷が思うように治らずまた感染を引き起こしやすい状態になります。
インプラントが感染してしまった場合最悪抜けてしまうことがあります。インプラント治療は外科処置であるためこの感染には特に注意が必要です。
④インプラント周囲炎のリスク
インプラント周囲炎とは、インプラントが歯周病と同じような状態になることです。インプラント治療後、歯磨きや歯科医によるメンテナンスが不十分になると細菌が歯肉とインプラントの境目に侵入してきます。
インプラント周囲の歯肉は天然の歯と比べて細菌への抵抗性が弱いことが知られています。初期段階では、インプラント周囲の歯肉から出血がみられます。そのまま悪化すると、膿んできたり 腫れたりしてきます。この状態になると、インプラントを支えていた骨が無くなっていることが多いです。
最悪の場合、歯ぐきも痩せてしまい、インプラントを固定しつづけることが出来なくなります。
インプラントの初期段階の炎症は、歯周病と同じく、自覚症状(痛み)はほとんどありません。天然の歯の歯周病治療とは違い、インプラントが細菌に感染してしまうと完治することが非常に難しいため、セルフケアと定期的な歯科医院におけるメインテナンスが必須となります。
⑤感染症や炎症を起こすリスク
インプラント手術は口腔内で行われるため、感染症のリスクが伴います。感染症が発生すると、インプラント周囲炎という症状が出現し、痛みや腫れ、出血などが見られることがあります。
インプラント手術に使用する器具は、しっかりと滅菌されたものを使用するのがセオリーですが、滅菌がずさんな歯科医院が絶対に存在しないとはいい切ることができません。過去にも歯科治療の器具を滅菌せずに使いまわし、報道された事例がありました。
感染症のリスクを理解し、その予防策を徹底することが、インプラント治療の成功には欠かせません。
⑥インプラントが破折・破損するリスク
悪い噛み合わせはインプラントに大きな負荷をかけるため、人工歯が破折したり、骨吸収によって骨との結合が弱くなったりするリスクがあります。
また、強い噛みしめや歯ぎしりなど、インプラントに過度の力がかかると、金属疲労が進行しやすくなります。
歯ぎしりがひどい場合は、インプラントを入れていなくても、天然の歯も同様に破損する可能性がありますので、歯科医院にてナイトガード作成してもらうようにしましょう。
⑦被せ物の審美的、機械的リスク
インプラント治療は最終的に上部構造と呼ばれる被せ物が入ります。その際にインプラントが適切な位置に埋入されていない場合、その後の上部構造が審美的におかしい状態で入ったり、掃除ができないような形態の上部構造が入ってしまいます。そうなると、見た目が満足できなかったり、清掃ができないためインプラント周囲炎のリスクを上げてしまいます。
そうならないために、歯科医師の正しい知識や術前のシミュレーション、それをもとにおこなう治療技術が必要になります。
安全なインプラント治療を受けるためには医院選びが重要
インプラント治療は、インプラントそのものが良くなっていったり、歯科医師の技術の進歩が進んでいったりすることにより、現在の成功率は95%と昔に比べて安全性は高まっていると言われています。
インプラント治療は、インプラントそのものが良くなっていったり、歯科医師の技術の進歩が進んでいったりすることにより、現在の成功率は95%と昔に比べて安全性は高まっていると言われています。
ただし、そうは言ってもインプラント治療は外科手術となりますのでリスクがつきものです。最小限のリスクで成功に導くためには、安心できる歯科医院選びがとても重要になってきます。
インプラントの安全性を確保するための当院の取り組み
インプラント治療の安全性を確保するために、当院では以下のような取り組みを行っております。
①カウンセリングと診査診断に十分な時間を確保します
②歯科用CTや口腔内スキャナーなど最新機器の活用
③衛生管理の徹底による感染予防
④サージカルガイドを用いた精密な手術
⑤定期的なメンテナンス
⑥サージカルガイド シミュレーションへの日々の研鑽
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
①カウンセリングと診査診断に十分な時間を確保します
当院では、歯科医師である院長の渡邉がしっかりした資料採得を行い診査診断をすすめていきます。
患者様の要望や理想の状態などをヒヤリングし、必要に応じて当院に在籍しているTC(トリートメントコーディネーター)が患者様と歯科医師の間に立ち、満足のいく治療を進めるための橋渡しを行っています。
歯科医師に対して聞きづらいことや言いにくいことなど、患者様が心の奥で思っている本音をお聞きし、患者様が納得して治療を受けていただけるようお手伝いさせて頂きます。
②歯科用CTや口腔内スキャナーなど最新機器の活用
歯科用CTは今でこそ普及していますが、それでもCTを有する歯科医院はまだまだかなり少ないです。
当院では当初より歯科用CTを導入しており、詳細な骨の状態を把握することができています。このことで術前の診断の質が上がり、治療もスムーズに行うことができます。
また、デジタル機器を使用して簡便かつ正確な診断に役立てています。患者様にとっては、従来のシリコーンの印象材による歯型取りがどうしても苦手という方は少なくありません。独特な臭いのする印象材を口いっぱいに含まなければならないため、嘔吐反射を引き起こされることもあります。
当院のお口の型取りは、小型のスキャナーをかざすだけの口腔内スキャナーを使用しているため、患者様の負担を最小限に抑えることが可能です。
③衛生管理の徹底による感染予防
当院では院内感染を防止のために、インプラント手術時だけに限らず、日々の診療から使用歯科器具や機材の消毒、滅菌を徹底しています。
また、歯科ユニットなどの治療スペースも治療の都度、清掃を行い、見えない空気中の汚染に対しても徹底した管理を行っております。
④サージカルガイドを用いた精密な手術
当院のインプラント治療における最大の特徴は、ほぼすべてのインプラント治療においてサージカルガイドを用いていることです。
サージカルガイドとは、術前の診査診断をもとにインプラント治療のシミュレーションをおこない、その計画を正確に行うために用いるものです。サージカルガイドはその名の通り外科処置の際にガイド「道しるべ」となるもので、マウスピースのようなものです。
そのガイドにしたがって行えばより正確な位置にインプラントを埋入できます。
⑤定期的なメンテナンス
当院では、インプラント治療後はもちろん、インプラント治療を行っていない患者様も定期的なメインテナンスにお越しいただいています。
何か問題が起こってから治療を行うのではなく、問題が起きる前から予防をしていくことを大事にしています。ただ、歯科医院に通えば良いというわけではなく、患者さまと歯科医院が互いに協力し合う必要があります。
⑥サージカルガイド、シミュレーションへの日々の研鑽
インプラント治療の発展は凄まじく、日々知識のアップデートをしていかなくてはなりません。
院長の渡邉は、i6という関西を中心とした勉強会に理事として所属しており、積極的にインプラント治療のアップデートを行っています。またその中でさまざまなセミナーを開催しており、特にサージカルガイド、シミュレーションの分野では若手歯科医師向けに講義をするなど幅広い活動を行っております。
まとめ:長崎県で安全な正確なインプラント治療なら渡辺歯科医院
インプラント治療は適切な診査診断のもと正しい知識と技術があれば、患者様にとって非常に有益な治療だと言えます。
そのために当院では安全で正確なインプラント治療にむけて日々精進してまいります。
インプラントをはじめとした治療を検討している方、興味はある方は、当院のカウンセリングにご来院いただき、直接ご相談ください。
監修者情報
院長 渡邉 威文
- 九州大学歯学部 卒業
- 九州大学総合診療科にて研修
- 福岡赤十字病院にて研修
- 山口県萩市にて勤務
- 福岡県糸島市にて勤務
- 医療法人渡辺歯科医院 継承