こんにちは 長与町の歯医者、渡辺歯科医院です。今回は、インプラント治療の注意点についてお話させていただきます。
インプラント治療にもデメリットや失敗例があります。そこで今回はインプラント治療をやらなきゃよかった、と後悔しないために気を付けることについてご紹介させていただこうと思います。
また、インプラント治療を受けることを決めたら、手術を受ける前日・当日・後日それぞれで注意しなければならないことなどもご説明します。
目次
インプラント治療と他の治療の違い
一般的に歯を失った際には、主に「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つのいずれかで対応します。
それぞれどんな時に用いられるのか、特徴について簡単にご説明します。
入れ歯
入れ歯は、歯を全て義歯にする総入れ歯と一部を義歯にする部分入れ歯があり、外科手術の必要はなく、治療期間が短期間で済むという利点がある一方であまり強く噛むことができない等の違和感を感じやすいというデメリットがある。
ブリッジ
ブリッジは、失った歯に接する両隣の歯を削り、そこに橋を架けるように人工歯を装着させるもので、個人差ありますが7~8年間違和感なく使用し続けられ、治療期間も短期間で済みますが、隣の歯を削らなくてはなりません。
また、失った歯の本数が多いときには使用できません。
インプラント
皆さんはインプラントについてご存知でしょうか。インプラントとは、歯を失ったときの治療法の1つです。虫歯や歯周病などの何らかの理由で歯を失ってしまった時に、その部分の歯を補うための治療法の1つで、顎の骨に人工の歯根を埋め込みます。歯根はネジ型のもので、これをインプラントといいます。その上から人工の歯を被せています。
普通の歯と同じように人工歯一本一本にネジを付けるので、それぞれが独立した歯となります。そのため人工の歯がしっかりと固定されて、より機能的に使用することができます。そのため安定性が非常に高く、本来のご自身の歯と同じような感覚で違和感もなく、ほぼ永久的に使用し続けることができるのです。
そしてインプラント治療の特徴としては、天然の歯と近い機能を持っている、他の歯を痛めない、治療の期間が長い、の3点が主なものとなっています。
このようにインプラントは入れ歯で感じやすい違和感もなく、ブリッジ治療のように他の健康な歯を削る必要もない治療方法です。
しかしながら、インプラント治療にも注意すべきことがあります。
なのでここからはインプラントの注意点について具体的にご紹介させていただこうと思います。
インプラント治療の注意点
外科手術が必要
インプラントを入れるには外科手術で歯茎の切開や顎の骨に穴を開ける処置をしなければなりません。
保険適用の治療ではない
インプラントの治療は保険適用外になります。「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」のうちでは、インプラントだけが保険適用の治療方法がありません。
費用は歯科医院によって異なりますので、事前に確認しましょう。
治療の期間が長い
手術後、インプラントの骨への定着期間が必要になるので治療が長期になりやすいです。
定期的にメンテナンスが必要
インプラントの治療後も定期的にメンテナンスを受けなければインプラントのトラブルに気付かず進行させてしまう恐れがあります。
インプラント治療のリスク
痛みや腫れ、しびれの症状が続く
インプラントの手術の後、通常ならば2.3日程度で痛みや腫れが落ち着きますが、2週間以上続いている場合は細菌感染を起こしている場顎合があります。
顎の骨と人工の歯根がうまく結合しない
インプラントと顎の骨がうまく結合しないと、人工歯が抜け落ちてしまうことがあります。例えば骨密度の低い患者様は、インプラントと顎の骨の結合が難しくなります。
骨密度って関係あるの?と感じる方も多いと思いますが、インプラント治療は顎の骨に直接ネジを埋め込むので、十分な骨密度が必要となります。そのため骨粗鬆症などで骨密度が低い方は注意しましょう。
インプラント歯周炎を起こした
インプラントの治療後にインプラントと歯ぐきの間のポケットと呼ばれる場所で磨き残しなどが原因で菌が増殖し、歯ぐきが炎症を起こしてしまうことでインプラントの周りにある骨が溶けてしまう症状をインプラント周囲炎といいます。
インプラントを埋め込んでいる所が歯周炎になってしまうと、歯に神経が通っていないので歯周炎の痛みを感じにくいため、気付かない間に進行している恐れがあります。
歯周病と同様に初期段階では気付きにくいですが、症状が進行してしまうとインプラントが抜け落ちてしまう恐れがあるため、インプラント治療後に特に注意すべき項目です。
インプラント治療を受ける前に歯科医師へ伝えるべきこと
糖尿病や骨粗鬆症などの持病をお持ちの方や他院などで治療進行中の疾病、服用している薬がある際は、必ず担当歯科医師へ申告するようお願いします。
疾病だけではなく、アルコール依存症の方や喫煙している方も申告が必要です。
インプラント手術の前日に注意すること
体調管理
インプラント治療は外科手術となります。
日々の疲れが溜まっていたり、睡眠不足の状態だったり、ストレスを抱えていたりする場合、インプラント手術中に体調が優れないことが考えられます。
リラックスした状態で当日を迎えられるようにしましょう。
禁酒禁煙
これは、前日だけに限ったことではありませんが、たばことお酒は免疫力を低下させてしまう可能性があります。
インプラント手術では、身体的負担も考慮しなければいけませんので、免疫力を低下させてしまうことはやめましょう。
インプラント手術の当日に気を付けること
ラフな服装
インプラント手術当日は、ラフな服装を選びましょう。
インプラント手術は外科手術であるため、血液が飛んでしまうことも考えられます。
汚れても構わない服装でご来院いただくようお願いします。
また、お口の周りを消毒しますので、女性の方は特に化粧はできるだけ控えめにお願いします。
インプラント手術後に気を付けること
患部に触れない
極力触れないようにしてください。
手術後はお口の中に違和感があるため気になると思いますが、舌や指で患部を触ったり、頬を引っ張ったりしないようにしましょう。
また、うがいや歯みがきも強く行うのは決してしないでください。
インプラント手術における注意点は上記以外にもたくさんあります。
初めにすべてを伝えても忘れてしまう可能性もございます。
その都度、何に注意しなければいけないかは当院からお伝えさせていただきます。
上記の内容以外にも詳しいことや気になることがございましたら、当院へお気軽にお問い合わせください。
インプラント治療で後悔しないために
後悔のない治療をするためには入念な病院選びと定期的なメンテナンスが重要になります。
インプラント治療の成功率は歯科医院によって異なります。歯科医院がインプラント治療のためのCTレントゲンなどの設備が整っているのかは事前にホームページなどで調べてみると良いでしょう。インプラント治療のメンテナンスを怠ると、短期間でインプラントの欠損や脱落を起こしやすくなってしまいます。
定期的に歯科医院でのメンテナンスを行い、ご自身でも丁寧なケアを行うようにしましょう。
上記の内容以外にも歯の治療について詳しいことや気になることがございましたら、当院へお気軽にお問い合わせください。
監修者情報
院長 渡邉 威文
- 九州大学歯学部 卒業
- 九州大学総合診療科にて研修
- 福岡赤十字病院にて研修
- 山口県萩市にて勤務
- 福岡県糸島市にて勤務
- 医療法人渡辺歯科医院 継承