インプラント相談集

冒頭:鏡を見るたびに気になる「前歯」──きっかけは小さな違和感から

前歯のかぶせ物が外れて、そのままにしていたら人前で笑えなくなったんです。

そう話してくださったのは、60歳の女性。
上品な身なりで、少し離れた長崎市からお越しくださいました。

久しぶりの歯科受診で、4〜5年ぶり。
インプラントの特設ページ(LP)を全部読みました」と笑顔で話される姿から、ご自身の歯に対する思いと、慎重で前向きな性格が伝わってきました。

初診問診:前歯の見た目と奥歯の噛み合わせ、両方を整えたい

前歯をきれいにしたいんです。それと、奥歯がなくなっているところもあるので、しっかり噛めるようにしたい。インプラントを考えています。

承知しました。前歯の見た目と奥歯の機能、どちらも大切ですね。
今日は全体的にお口の状態を拝見して、治療の選択肢を整理しましょう。

被せ物が外れていたのは、左上3番。
30年前に自費で作られたクラウンが入っており、劣化と虫歯の進行がみられました。
また、前歯4本すべてが古い補綴物で、連結されていたため、全体的な再治療が必要な状態でした。

検査と診断:歯周病ではなく「カリエス(虫歯)」による崩壊

患者さんは「自分は歯周病だと思っていた」と話していましたが、実際の検査結果は異なりました。

○○さん、歯ぐきの状態は思ったより良好ですよ。
ただ、歯の根の部分に虫歯が広がっていて、歯が壊れてしまっている箇所が多いです。

歯周病ではないんですか?

いいえ。今回は虫歯(カリエス)による全顎的な崩壊が原因です。
つまり、“骨はまだしっかりしている”ということなんです。
インプラントに必要な骨量も十分ありますよ。

そうなんですね。
骨がないとインプラントはできないと思っていたので、少し安心しました。

実際にCTでも確認しましたが、上顎・下顎ともに十分な骨がありました。
ただ、噛み合わせのバランスが少し崩れています。
今のうちにしっかり整えておくことで、将来的な咬合崩壊を防げます。

患者さんはうなずきながら、真剣な表情で話を聞いておられました。

医科連携:体調面に配慮したインプラント治療の進め方

さらに問診を進める中で、患者さんから「少し前まで全身の治療を受けていた」とのお話がありました。

実は、数年前まで体の治療をしていたので、骨や免疫のことが心配なんです。

それは大切な情報を教えてくださってありがとうございます。
お体の治療後にインプラントを検討される方もいらっしゃいます。
念のため、主治医の先生と連携して安全性を確認させていただきますね。

その後、医科の先生に照会を行い、全身的に問題がないことを確認。
医科と歯科の連携によって、安全に治療を進められる」ということが分かり、患者さんは大きく安心されたようでした。

ちゃんと確認してもらえるのがありがたいです。
そういうふうに連携してもらえるとは思っていませんでした。

当院では、全身の状態を考慮したうえで治療を進めることを大切にしています。
○○さんの場合も、しっかりとした計画を立てていけば安心して進められますよ。

治療方針の提案:美しさと機能を両立する全顎的アプローチ

検査結果とCTの情報を踏まえ、治療方針を立てました。

  • 上顎前歯:古いクラウン4本を除去し、新しいセラミックブリッジで再補綴
  • 奥歯:欠損部にインプラントを埋入(骨量は十分)
  • 全体:虫歯治療・咬合調整・清掃性を重視した再設計

今の状態を放置すると、噛み合わせのバランスが崩れ、咬合崩壊を起こす可能性があります。
でも、今しっかり治しておけば、この先20年快適に過ごすことができます。

そう聞くと、今が“最後のチャンス”のような気がしますね。

まさにそうです。60歳は、口の中を整えるにはとても良いタイミングです。
見た目も機能も同時に整えることで、表情や姿勢も変わっていきますよ。

印象的だった瞬間:本気で向き合う姿勢

治療計画の説明が終わると、患者さんは静かに言いました。

先生、ここまで丁寧に説明してもらえて安心しました。
今度こそ、きちんと治して維持できるようにしたいです。

ありがとうございます。そのお気持ちが一番大切です。
これから一緒に、“きれいで噛める口”を取り戻していきましょう。

帰り際、鏡に映る前歯を見つめながら、
「次に来るときは、きっと違う自分になれそうです」と穏やかに微笑まれた姿が印象的でした。

まとめ:美しさと健康を両立する「人生後半の再スタート」

今回の症例は、

  • 全顎的な虫歯による崩壊
  • 体調面への配慮が必要な背景
  • 見た目と噛む機能の両立
    という複数の要素が関わるケースでした。

それでも、医科との連携を行い、適切な検査と計画のもとで安全に治療を進めることができました。

60歳という年齢は、「今後の人生を快適に過ごすための再スタート」にふさわしい時期です。
噛めるようになることで、見た目の若々しさだけでなく、表情や姿勢、食事の楽しみまでが変わります。

“もう一度きれいな歯に戻りたい”という願いは、決して特別なことではありません。
正確な診断と、患者さんの思いに寄り添う対話があれば、その一歩を安心して踏み出すことができます。

長崎県長与町の渡辺歯科医院では、無料/有料相談(60分)を行っています。
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本記事は一般的な情報であり、効果・期間・費用は個人差があります。実際の治療は診断に基づきご提案します。詳細はカウンセリングでご相談ください。

監修者情報

院長 渡邉 威文

  • 九州大学歯学部 卒業
  • 九州大学総合診療科にて研修
  • 福岡赤十字病院にて研修
  • 山口県萩市にて勤務
  • 福岡県糸島市にて勤務
  • 医療法人渡辺歯科医院 継承
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