- 歯のコラム
こんにちは 長与町の歯医者 渡辺歯科医院 院長の渡邉です。
これまで、歯を磨いていたら歯ぐきから血が出てきた、口をすすいだら血が滲んだ経験はありませんか?歯ぐきから出血が起こる原因は一つではありません。
【出血の原因】
歯周病
お口の中に磨き残しや細菌が多く不潔な状態のままにしておくと、歯の表面に汚れが付着し、歯ぐきが炎症を起こします。炎症が強くなってくるとだんだん歯ぐきから出血するようになります。炎症や出血が続き放置すると歯周病が進行して歯を失う可能性が上がります。
歯ぐきを傷付けている歯みがき
硬い歯ぶらしで磨くときに力強くごしごしと磨いてしまったり、自分の歯に対して使っている歯間ブラシの大きさが合っていなかったり、フロスが歯ぐきに強く食い込んでしまったりすると歯ぐきから出血してしまう原因となります。
また、日常的に歯ぐきに刺激を与えてしまうと歯ぐきが退縮して歯の根っこが見えてしまうことに加え、知覚過敏が出やすくなります。
ドライマウス
お口の中が乾燥していることも出血の原因となります。
ドライマウスになる要因としては、口呼吸や鼻炎、薬の副作用、唾液の分泌量の低下などが考えられます。
だ液にはさまざまな働きがありますが、特にお口の中をきれいに洗浄してくれる働きがあります。そのため、だ液が少ないとお口の中が清潔に保たれず、細菌が繁殖しやすい環境になりむし歯や歯周病を引き起こしやすくなります。
だ液を多くするには、食生活の改善から見直し咀嚼回数を増やして食事をすることから始めてみてください。
薬の副作用
薬を服用している方の中でも抗凝固剤や降圧剤の薬を服用している方は、特に出血傾向が強く出る場合があります。
抗凝固剤は梗塞の既往がある方、ステントが入っている方などが飲んでいるケースが多く、血液がサラサラになるため一度出血すると止まりにくく、歯科の施術も注意が必要な薬です。
現在、服用されている薬が何なのかお薬手帳をご持参いただきご相談ください。
喫煙
多くの方がタバコは体に良くないものという認識を持っていると思います。
それは、お口の中に対しても同じことが言えます。
喫煙は血管を収縮させ、全身の血流量を下げます。血の巡りが悪くなることで抵抗力も低下し、お口の中での細菌が繁殖しやすくなります。
ホルモンバランスの変化
妊娠や成長、更年期によるホルモンバランスの変化によってもお口の中への影響はあります。
特に、女性ホルモンはお口の中に影響が出やすいといわれており「妊娠性歯周炎」という早産や低体重児出産を引き起こす原因となってしまう怖い病気もあります。
歯ぎしり
歯ぎしりやくいしばりによって歯周病が起こるわけではありません。歯ぎしりなどによって歯ぐきや骨に大きく負荷がかかってしまい、骨が吸収されたことによってできる歯周ポケットに細菌が繁殖し炎症へとつながります。
歯ぎしりやくいしばりがひどい方はマウスピースを使用することで歯ぐきや骨への負荷を減少させることができます。
全身疾患
歯周病の方は糖尿病への傾向が多くみられるといわれ、白血病などの方も歯ぐきからの出血が多い傾向にあります。お口の中からの出血がみられる場合でも原因が不明で心配な場合は全身的な検査を行うことをお勧めします。
糖分過多
糖分を多く摂取していると、歯ぐきから出血しやすくなります。
血糖値が高く糖化することにより歯周組織はもろくなるため壊れやすく出血します。糖尿病の方に出血が多くみられるのもこれとつながっていると言われています。
まずは、日頃の正しい歯みがきでお口の中の細菌を減らし炎症を予防することで出血の多くは改善できます。
しかし、お口の中から出血がある場合でも、上記のように原因は一つではありませんし、人によって原因は様々です。
一生ご自身の歯を使い続けられるように
ぜひ、一度受診して原因を探ってみませんか?