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マウスピース矯正のマウスピースをなくした・割れた時の対応

「外食のときに紙ナプキンに包んだまま、マウスピースを捨ててしまった」「ケースから出した拍子に落として、ひびが入ってしまった」。マウスピース矯正を続けていると、こうしたトラブルは決して珍しいことではありません。次の通院日まで日があると、このまま何もしなくて大丈夫なのか、作り直しにいくらかかるのか、治療が振り出しに戻ってしまわないかと、不安になる方も多いのではないでしょうか。

マウスピース矯正では、決められた枚数のマウスピース(アライナー)を順番に使って歯を少しずつ動かしていきます。そのため、1枚をなくしたり壊したりしたときの対応は、その後の治療の進み方に関わってきます。とはいえ、落ち着いて手順どおりに動けば、大きく計画が崩れずに済むケースも多くあります。

この記事では、マウスピースをなくした・割れたときにまず何をすればよいのか、歯科医院への連絡で伝えるとよいこと、治療への影響、そして日ごろの予防の工夫まで、渡辺歯科医院、院長の渡邉が解説いたします。当院では矯正の無料カウンセリングを行っておりますので、治療中のトラブルやこれから矯正を始めるかどうかのご相談も、あわせてご利用いただけます。

マウスピースの紛失・破損は、めずらしいことではありません

マウスピース矯正の装置は、食事や歯みがきのたびに取り外して使います。1日に何度も着け外しをするため、置き忘れや落下といった場面がどうしても生まれやすくなります。実際、治療中に一度もトラブルなく終える方もいれば、途中で1枚をなくしてしまう方もいて、経過には個人差があります。

大切なのは「やってしまった」と落ち込むことではなく、気づいた時点でどう動くかです。ここでは、まずどんな場面で起こりやすいのか、そして最初に確認したいことを整理します。

なくしやすい・壊れやすいのはこんな場面

紛失で特に多いと言われているのが、外食時の取り外しです。テーブルの上でティッシュや紙ナプキンに包んで置いておくと、片づけの際にそのまま捨てられてしまうことがあります。職場での昼食、飲み会の席、旅行先など、いつもと違う環境ほど起こりやすい傾向があります。

破損については、着け外しの方法が関わることがあります。前歯だけを引っかけて一気に外そうとすると、一部分に力が集中してひびが入ることがあります。また、熱いお湯での洗浄や、直射日光の当たる車内への放置など、熱がかかる環境で変形してしまうケースも知られています。ペットが噛んでしまった、というご相談も時折あります。

こうした場面を知っておくと、次に触れる予防の工夫も取り入れやすくなります。まずは、実際に「ない」と気づいたときに確認したいことを見ていきましょう。

まず落ち着いて確認したい3つのこと

気づいたときに確認したいのは、次の3点です。1つ目は、今使っていたのが何枚目のマウスピースかということです。ケースやパッケージに番号が書かれていることが多いので、手元の記録を確認します。2つ目は、そのマウスピースを何日目まで使っていたかです。交換直後だったのか、そろそろ次に進む時期だったのかで、対応の考え方が変わってきます。

3つ目は、ひとつ前のマウスピースと、次の番号のマウスピースが手元にあるかどうかです。医院によって、複数枚をまとめてお渡ししている場合と、通院ごとに数枚ずつお渡ししている場合があります。手元にどこまであるかで、選べる対応が変わります。

破損の場合は、割れ方も確認しておきましょう。小さなひびで装着に支障がないのか、一部が欠けているのか、真っ二つに割れているのかによって、そのまま使ってよいかの判断が異なります。自己判断で欠けた部分を接着剤で補修することは、口の中に入るものである以上おすすめできません。これらを整理したうえで、次の手順に進みます。

なくした・割れた時にとる基本の手順

紛失や破損に気づいたあと、歯を動かす力がかからない時間をできるだけ短くすることが、治療計画を保つうえでの考え方の基本になります。歯は装置による力がなくなると、元の位置に戻ろうとする性質があるためです。

ここでは、多くの場合に共通する流れを3つの手順に分けてご説明します。ただし、実際の指示は治療の進み具合や歯並びの状態によって変わりますので、最終的にはかかりつけの歯科医院の判断に沿って進めてください。

手順1:ひとつ前のマウスピースを装着する

手元にひとつ前の番号のマウスピースが残っている場合、まずはそれを装着して様子をみるようご案内することがあります。今の段階より少し手前の形ではありますが、何も入れずに過ごすよりは、歯の位置を保ちやすいと考えられているためです。

このため、使い終わったマウスピースはすぐに捨てず、少なくとも数枚分は洗って保管しておくことをおすすめしています。捨ててしまっていると、この選択肢が使えなくなります。

なお、ひとつ前のものを入れたときに、きつく感じたり、途中までしか入らなかったりすることがあります。無理に押し込むと歯や装置に負担がかかることがありますので、その場合は装着を中止し、そのままの状態を歯科医院に伝えてください。次の番号のマウスピースが手元にあるからといって、指示なく先に進めることも避けたほうがよいでしょう。計画より早く進めると、歯に想定以上の力がかかることがあります。

手順2:歯科医院に連絡する

ひとつ前を装着できたかどうかにかかわらず、できるだけ早く歯科医院に連絡します。次の予約日まで待ってから相談すると、その間に歯の位置が変わり、対応の選択肢が狭まることがあります。連絡さえ入れておけば、来院が数日後になっても、それまでの過ごし方について指示を受けられます。

電話がつながらない時間帯であれば、診療時間内にあらためて連絡するか、医院によってはメールや予約システムから連絡できることもあります。「たった1枚のことで連絡するのは気が引ける」と感じる方もいらっしゃいますが、矯正を担当する側にとっては把握しておきたい情報ですので、遠慮なくお伝えください。

連絡時に伝えるとスムーズな情報

連絡の際、次の内容をまとめて伝えていただけると、その場で具体的な指示を受けやすくなります。なくした(壊した)のは何枚目か、そのマウスピースを何日使っていたか、いつからマウスピースを入れていない状態が続いているか、ひとつ前と次の番号は手元にあるか、そして現在ひとつ前を装着してみた結果どう感じたか、の5点です。

スマートフォンのメモに治療の記録を残しておくと、こうしたときに役立ちます。交換日を写真で残しておく方法もあり、どの日に何枚目へ進んだかがひと目でわかります。

手順3:指示に沿って次の対応を決める

歯科医院からの案内としては、いくつかのパターンが考えられます。ひとつ前のマウスピースをそのまま長めに使って次の来院を待つ場合、次の番号にそのまま進む場合、そして同じ番号のマウスピースを作り直す場合などです。

どの対応になるかは、なくした枚数が治療全体のどのあたりか、装置を入れていない期間がどのくらい続いたか、歯の動きが計画どおりに進んでいるかなどによって変わります。数日以内に対応できた場合は計画の範囲内で調整できることもありますし、期間が空いた場合は歯型を取り直して計画を組み直すこともあります。

いずれの場合も、どうしたいかというご本人の希望や、通院のご都合も踏まえて相談しながら決めていきます。費用や期間への影響が気になる場合は、その場で遠慮なくお尋ねください。次の章で、その影響について詳しくみていきます。

治療への影響と、放置した場合に起こりうること

「1枚くらいなら大丈夫だろう」と思って、次の予約日までそのままにしてしまう方もいらっしゃいます。ここでは、装置を入れない時間が続くと何が起こりうるのか、そして作り直しになった場合の期間や費用の考え方を整理します。あらかじめ知っておくことで、早めに動く判断がしやすくなります。

数日そのままにすると、歯は戻ろうとし始めます

矯正で動かした歯は、周囲の組織が新しい位置に落ち着くまでに時間がかかります。そのため、装置による力がかからない状態が続くと、元の位置へ戻ろうとする動き(後戻り)が起こることがあると言われています。どのくらいの期間で、どの程度戻るかには個人差が大きく、一概には言えません。

実際に起こりやすいのは、次のマウスピースが入らなくなる、あるいは入っても浮いてしまうという状態です。こうなると、その番号から先に進めず、歯型を取り直して作り直す必要が出てくることがあります。逆に言えば、早く気づいて対応するほど、当初の計画のまま進められる可能性が高くなります。

紛失に気づいた時点で、その日のうちに何かしらの装置を入れておくことが望ましいのは、こうした理由からです。

作り直しになる場合の期間・費用の考え方

作り直しが必要になった場合、新しいマウスピースが届くまでに一定の期間がかかります。歯型の取り直しから製作、医院への到着までを含めると、数週間ほどみておく必要があるケースが一般的です。その間は、ひとつ前のマウスピースやお渡ししている装置で歯の位置を保ちながら待つことになります。

費用については、医院ごとの契約内容によって扱いが異なります。治療費に一定回数までの作り直し費用が含まれている場合もあれば、1枚あたり、あるいは1回の再製作あたりで別途費用が必要になる場合もあります。ご自身がどの契約になっているかは、治療開始時にお渡しした説明書類や同意書に記載されていることが多いので、確認しておくと安心です。

矯正は自由診療のため、費用の考え方は医院によって差があります。これから治療を始める方は、装置をなくした・壊した場合の費用の扱いについて、契約前に確認しておくとよいでしょう。当院でもカウンセリングの際にご説明しておりますので、気になる点はその場でお尋ねください。

紛失・破損を防ぐためにできる工夫

トラブルへの対応を知っておくことは大切ですが、そもそも起こりにくくする工夫も同じくらい役に立ちます。ここでご紹介するのは、どれも今日から取り入れられる簡単なことばかりです。習慣として身につけてしまえば、意識せずに続けられるようになります。

外したら必ずケースに入れる習慣をつくる

もっとも効果的とされているのが、「外したら必ずケース」というルールを徹底することです。ティッシュや紙ナプキンに包む、ポケットに入れる、バッグに直接入れるといった置き方は、紛失や破損の原因になりやすいと言われています。特にティッシュに包む方法は、そのままゴミと間違えられる典型的なパターンです。

ケースは、職場用・持ち歩き用・自宅用というように複数持っておくと、「ケースがないからとりあえずティッシュに」という場面を減らせます。予備のケースは矯正を扱う歯科医院で購入できることが多いほか、市販のものを使う方もいらっしゃいます。

また、ケースの色を目立つものにしておくと、置き忘れたときに気づきやすくなります。外食のあと席を立つ前に、ケースを確認するひと呼吸を入れるだけでも違ってきます。

割れ・変形を防ぐ扱い方

破損を防ぐには、着け外しの方法を見直すことがひとつのポイントです。外すときは片側の奥歯から少しずつ浮かせるようにし、前歯だけを引っ張って一気に外さないようにします。爪で無理に引っかけると、その部分から欠けることがあります。

洗浄では、熱いお湯を使わないことが基本です。マウスピースは熱で変形する素材でできているため、煮沸消毒や食器洗い乾燥機の使用は避けてください。歯みがき粉で強くこすると細かい傷がつき、その傷から割れやすくなることもありますので、水またはぬるま湯で、やわらかい歯ブラシを使ってやさしく洗う方法が向いています。

保管場所にも注意が必要です。夏場の車内やストーブの近く、直射日光の当たる窓辺などは変形の原因になります。ペットのいるご家庭では、手の届かない場所に置くようにしてください。こうした扱い方は、装置を長持ちさせるだけでなく、清潔に保つことにもつながります。

よくあるご質問

Q. マウスピースをなくしましたが、次の予約まであと2日です。それまで待ってもよいですか?

2日程度であっても、何も入れずに過ごすことはおすすめしていません。ひとつ前のマウスピースが手元にあれば装着し、あわせて歯科医院へご連絡ください。連絡をいただいておくことで、来院時にすぐ次の対応に移れます。

Q. ひびが入っただけなら、そのまま使い続けても大丈夫ですか?

ひびの位置や大きさによって判断が変わります。小さなひびで装着に問題がなければ、次の交換日まで使うようご案内することもありますが、ひびから割れが広がったり、縁が鋭くなって粘膜を傷つけたりする可能性もあります。写真を撮っておき、歯科医院に状態をお伝えいただくのが確実です。

Q. なくしたマウスピースが後から出てきました。使ってもよいですか?

汚れの付着や変形がなければ、洗浄したうえで使えることもあります。ただし、その間に別の対応を進めている場合は、どちらを使うかの判断が必要になりますので、まずは歯科医院にご確認ください。

Q. 旅行や出張中になくした場合はどうすればよいですか?

まずはひとつ前のマウスピースを装着し、かかりつけの歯科医院へ連絡してください。旅行時は、使用中のものに加えてひとつ前のマウスピースも持参しておくと、こうした場面で対応しやすくなります。

Q. 何度もなくしてしまいます。矯正を続けられるでしょうか?

装置の紛失が続く場合は、生活のどの場面で起きているかを一緒に整理し、対応しやすい方法を検討します。ご本人の生活スタイルによっては、取り外さないタイプの装置を含めて選択肢をご相談することもあります。どのように進めるかは、ご希望を伺いながら決めていきます。

まとめ

マウスピース矯正中の紛失・破損について、対応の流れと予防の工夫をご説明しました。要点を整理します。

1つ目は、気づいたらできるだけ早く動くことです。ひとつ前のマウスピースを装着し、その日のうちに歯科医院へ連絡することで、計画どおりに進められる可能性が高くなります。2つ目は、何枚目を、何日目まで使っていたかを伝えられるようにしておくことです。記録があるほど、具体的な指示を受けやすくなります。3つ目は、使い終わったマウスピースを数枚分保管しておくことです。いざというときの備えになります。4つ目は、外したら必ずケースに入れる習慣と、熱を避けた保管・洗浄で、トラブルそのものを減らせるということです。なお、歯の動き方や後戻りの程度には個人差がありますので、実際の対応は歯科医院にご相談ください。

渡辺歯科医院では、マウスピース矯正のほか、小児矯正(1期・2期治療)やワイヤー矯正にも対応しております。矯正だけでなく、むし歯や歯周病を含めたお口全体の管理をあわせて行える体制を整えており、他院で治療中の方のセカンドオピニオンもお受けしております。

長崎県長与町で矯正歯科をお考えの方、治療中のトラブルや今後の進め方にお悩みの方は、無料カウンセリングにて詳しくご説明いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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