- 歯のコラム
こんにちは 長与町の歯医者 渡辺歯科医院です。
先月は、虫歯のことについて4回にわたってお話させていただきました。その中で、虫歯がご自身の歯を失ってしまう怖い病気だということを知っていただけたのではないでしょうか。
さて、今月からは虫歯よりもご自身の歯を失ってしまうリスクが高い「歯周病」についてお話していきます。
歯周病とは?
日本では「最も歯を失う怖い病気」として言われている歯周病ですが、自分はあまり関係ないというふうに思っている方がほとんどではないでしょうか。特に、年齢が若く、自覚症状もなかったら歯周病になっているはずはないと思い込んでしまうのも無理はありません。
日本人の約8割の方がかかっていると言われている歯周病は、自覚症状をほとんど感じられないということが怖いところでもあります。いつの間にか、気付かないうちに歯を支えている骨がボロボロになってしまうのです。
歯周病リスクチェック
- 歯みがきのときに血が出る
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 歯ぐきむずむずする
- 冷たいものがしみる
- 下の前歯の裏側がザラザラした感じがする
- 歯肉が下がり、歯が長くなった感じがする
- 歯をさわるとグラグラする
- 朝起きたとき口の中がネバネバする歯肉を押すと血や膿が出る
- 口臭がある
- 「サ行」の音が発音しにくい
- 歯と歯の間に食べ物がはさまりやすい
- 以前とは歯並びが変わったような気がする
上記の項目にチェックが一つでもついた場合は、歯周病の疑いがあります。早めの治療を行い、ご自分の歯を失うことなく一生守っていきましょう。
歯周病になってしまう原因
では、なぜ歯周病になってしまうのでしょうか?
歯周病の原因菌は1つではありません。複数存在する原因菌は空気が嫌いな菌が多く、空気に触れないところに隠れようとします。
そのため、歯周病菌は空気の届きにくい歯周ポケットに住みつく傾向があります。誰でも歯と歯茎の隙間には溝がありますが、健康な方のその深さはわずか2~3mm程度です。この深さが深ければ深いほど歯周病菌が住みつきやすい環境を作り出しているのです。
そして、歯周病の原因菌はバイオフィルムというバリアを作ります。歯垢(プラーク)は、菌がたくさん集まってできたヌメヌメとした汚れが歯にぴったりと付着します。
お口の中に残っていた食べかすが、古い部分から徐々に石化していき、「歯石」となります。
歯石は、歯ブラシでは取り除くことは困難です。
歯周病から守るためにできること
歯周病になってしまう原因を聞いて、歯周病から守ることが難しく感じたかもしれません。
しかし、歯周病の菌がお口の中にいても、コントロールできれば問題はありません。
言い換えれば、歯茎の溝(歯周ポケット)が深くならないようにしてあげれば、歯周病菌は増えません。
覚えていただきたいのは、歯周病菌は常にお口の中に存在していますので、完全に除去することは不可能なのです。
だからこそ、歯を守るためには、歯科医院で正しい磨き方を身につけることが重要になります。
ご自身に合ったブラッシング方法を身に付け、歯周病から守っていきませんか?
次回は、歯周病の進行についてお話していきます。
上記の内容以外にも歯周病ついて詳しいことや気になることがございましたら、当院へお気軽にお問い合わせください。
監修者情報
医療法人渡辺歯科医院 理事長 渡邉威文 Takefumi Watanabe
「最幸の医療を通して、人生を豊かにする」を医院理念に掲げ
患者様により良い歯科医療を提供している。
指導者としても、関西の「i6」というインプラントのスタティーグループの一員として若手歯科医師への指導を行っている。