- 歯のコラム
こんにちは 長与町の歯医者 渡辺歯科医院です。
今回は歯の寿命についてお話させていただきます。
日本人の歯の寿命
皆さんは歯にも寿命があることをご存じでしょうか。
日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳と日本が世界でも長寿の国であることは耳にしたことがあると思います。
そして、この平均寿命というものは歯においても算出されています。
厚生労働省の調査によると、歯の平均寿命は約50年~65年だそう。
その中でも「奥歯の寿命」が最も短く、前歯よりも10年以上も早く抜けてしまいます。逆に最も寿命が長い歯が男性で66.7年、女性で66.2年です。
人間の寿命と比べてみると、歯の寿命が20~30年も短いことがわかります。
これでは、老後にご自身の歯で食事をすることができません。
ご自身の歯で食事をしたり、笑顔で過ごすために、今の健康のうちからできることは何があると思いますか?
歯の寿命を短くする原因
先ほど奥歯の寿命が最も短いとお話しましたが、それは明確な理由があります。
その前に、歯の寿命を短くする大きな要因は何だと思いますか?
それは、治療をくり返すことです。
悪くなってから歯科医院に通うと思いますが、治療が終わったからといってまた来院が途絶えてしまうと、また悪いところができてしまい治療を繰り返すことなります。
歯を削る回数が増え、それがむし歯に繋がってしまうのです。他にも、磨き残しが多いことにも原因があります。
皆さんの中にも前歯よりも奥歯の方がみがきにくいと感じられる方が多いのではないでしょうか。
奥歯は頬や舌などの影響で歯ブラシを入れること自体が難しい場合が多いです。
さらに奥歯は自分では見えづらい位置にあるため、きちんとみがけているのかチェックすることも満足にできません。
そのため、実際歯と歯ぐきの根元には全然歯ブラシが当たっていないということも多くあります。
奥歯は、歯を食いしばるときに大きな圧力がかかります。
無意識の食いしばりや歯ぎしりの際、1本の歯に対してかかっている力はその人の体重の5~15倍とも言われています。
成人男性60㎏の方ならかかる力は300~900㎏。これだけの力がかかってしまうと、奥歯は割れてしまうこともあります。
歯の寿命をのばすには
歯の寿命を延ばすためにはまず予防が大切です。
皆さんは歯科医院に行く時、予防のためという理由を持って行かれることはありますか?
むし歯や歯周病の治療を終えると、悪くなるまで歯科医院に行かない方が多いです。
しかし、むし歯や歯周病は1、2年で再発してしまうケースが多いため、歯の寿命を長くするには定期的に歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることが大切になります。
この予防の大切さを教えてくれるのがスウェーデンの事例です。
日本の80歳時の歯の残存数は約8.8本。
それに比べて、スウェーデンでは80歳で21本の歯を保つことに成功しています。
そして、定期的な歯のメンテナンスに訪れる人の割合を,みてみても日本は5%未満なのに対し、スウェーデンでは約90%の人が受診をしているのです。
予防に重点を置いた結果、歯の寿命が延びていることがおわかりいただけると思います。
人間にも寿命があるように、歯にも寿命があることが今回分かっていただけたかと思います。
人間でも病気に気をつけるように歯も予防が肝心です。ぜひ定期的な歯科医院の受診をおすすめします。
上記の内容以外にも、歯の寿命についてもっと知りたい方、その他にも詳しいことや気になることがございましたら、当院へお気軽にお問い合わせください。