- 歯のコラム
こんにちは 長与町の歯医者 渡辺歯科医院です。
今回は「口腔がん」についてお話させていただきます。
「がん」といえば死亡率が高い病気の1つです。
とある調査によると一生のうちで何らかのがんを患う割合は男性で49%、女性で37%とされています。
つまり男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんになるといえるということです。
このようなデータを見ると、男女とも身近な病気なので少し不安になりますよね。
ところで皆さんは「口腔がん」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
あまり聞いたことがないという方が多いかもしれませんが、お口の中もがんになることがあります。
口腔がんとは
「口腔がん」とは、お口の中にできる悪性腫瘍のことです。
舌や歯肉、口腔底と呼ばれる舌と下側の歯茎の間、頬の粘膜、上顎、唇に発生します。
それぞれ舌がん、口腔底がん、頬粘膜がん、硬口蓋がん、口唇がんといい、これらの総称として「口腔がん」と呼ばれています。
他のがんと比べて少なく、年間では約8000人が口腔がんになっていますが、年々増加傾向にあります。
初期段階ではほとんど痛みがないので気付かれにくく、痛みなどの症状が出てきたときにはすでに進行してしまっている場合が多いです。
口腔がんの症状とは?
自覚症状としては以下のようなものがあります。
・お口の中の痛み
・歯肉や舌の腫れ
・歯肉からの出血
・歯のぐらつき
・口臭
・しこりがある
・口内炎が2週間以上治らない
・歯が浮くような感じがする
口腔がんの原因
喫煙
たばこを吸う方々が口腔がんになる確率はたばこを吸わない方々に比べ約7倍も高く、死亡率は約4倍も高いというデータがあります。
たばこを1日に10本以上吸う方はできる限り本数を減らしていきましょう。
飲酒
飲酒しながらたばこを吸うと、アルコールによってたばこに含まれている発がん性物質が溶けてしまいます。
そして口腔粘膜に作用するため、さらに口腔がんのリスクが高くなります。
お口の中の環境
虫歯を放置していたり、入れ歯のお手入れがしっかりとできていなかったりなど衛生状態が良くないとがんのリスクが高まります。
また慢性的な物理的刺激が原因となることもあります。
口腔がんの治療方法
口腔がんの治療には手術、抗がん剤治療、放射線治療の3つがあります。
手術
早い段階でがんが発見されると切除の範囲が小さい範囲になるので、その後の機能障害が少なくなります。
しかし、がんが進行した状況では切除の範囲が大きくなりますので、手術後に嚥下や発音のリハビリを行います。
抗がん剤治療
口腔がんは他のがんと比べて、抗がん剤治療による化学療法が効きにくいです。
しかし近年では、がんに栄養を送っている動脈に直接抗がん剤を注入する超選択的動注化学療法が行われています。
放射線治療
抗がん剤治療と同様に放射線治療も他のがんと比べて効きにくい傾向があります。
手術と組み合わせる術前・術後照射と放射線治療のみでがんを完全に治療するのを目指す、根治照射があります。
一度がんになると転移などの心配もありますので、たばこや飲酒を控えるなど予防をしていきましょう。
上記の内容以外にも歯の治療について詳しいことや気になることがございましたら、当院へお気軽にお問い合わせください。